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fiend 第一章 後半

「水流静鬼です。特技は剣道…かな?よろしくお願いします。」

にこやかに微笑む彼女に瞬時に心を掴まれた男子は少なくないであろう。

静鬼をちらちらみながらこっそり会話をしている男子をみて、あーガキっぽいと思ったのはいうまでもなく炎華姫鬼である。

それにしても戦うといっても敵はどこにいるのか、わくわくしている静鬼に対して姫鬼はそんなことを考えていた。

「闇風空華。よろしく。」

ーー思考が一瞬止まった。

よろしくなんていっておきながらそこには馴れ合うつもりがちっともない冷徹な声。

はっきりとして落ち着いた、かつ中学生とは思えない少し大人びた声。

真っ黒な髪。

整った綺麗な顔立ち。

特徴的なアホ毛

全身に鳥肌が立つ。

怖いとかそんなものではなく姫鬼は純粋に、彼女の強さにひかれたのだ。

それは同類の静鬼も例外ではなく、にやける顔を隠しきれずにいた。

こいつだ

直感で二人は察知した。

がやがやと騒がしい教室の中で、姫鬼と静鬼は隅で会話をする。

「静鬼も感じたか?」

「もっちろん!もうにやにやがとまんないよー」

確認をとりつつ冷静を装っていた姫鬼もわくわくが止まらなくなり始める。

「やっぱあいつなのかなぁ?」

「わかんないけどそうだとしたらアクション起こしてくれると思うよ!」

「まあそうか…。」

拳を握り締める。

ああ、戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい「姫鬼ちゃん。」

ハッと我に返る。

「あ、ごめん静鬼。ちょっと楽しみで…。」

「姫鬼ちゃんは戦いたくなるとわくわくとまんないもんねー」

「へへ…」

申し訳なさそうに姫鬼はそういった。

不愉快だわ。

不愉快不愉快不愉快。

みれば一目でわかる。

戦いたくてたまらない顔。

争うことが大好きな顔。

不愉快不愉快不愉快不愉快不愉快。

ゲームなんていってるこの世界が不愉快。

遊び感覚のあいつらが不愉快。

私は遊びにきたんじゃない。

殺すわ。

全員殺すわ。

一気に殺してやるわ。

そうしたらこの気分も晴れるかしら。

「んー教科書こんなにあるぅー。」

たっぷりもらった一年分の教科書。

「勉強がんばれよ静鬼。」

「戦いの方を頑張りたいです私。」

「わがままいうな。」

静鬼は頭はいいもののおっちょこちょい故にケアレスミスが多く、そのせいで一桁の点をとったこともあるので、ある意味バカの称号を得ている。

「ふぇぇーひどいっ姫鬼ちゃんひどいわっ静鬼泣いちゃうっ。」

「おーおー泣け泣け泣いちまえ。」

「うっわー姫鬼ちゃんひどい!もてないぞ☆」

「殴んぞ静k「こんにちは。」

人通りの少ない道に入ったところで綺麗な声が聞こえてきた。

「闇風空華っていいます。同じクラスの水流さんと炎華さんですよね?よろしくお願いします。」

きた…二人の中で戦いの合図だった。

「覚えててくれたんだ?ありがとう空華ちゃん!私のことは静鬼でいいよ。」

元気な透き通った声でにっこりと挨拶をする後ろで自身の特殊能力を十分に発揮させている静鬼。

ゲームの参加者は苗字にまつわる力を手に入れる。

水流静鬼は水流なわけだからいってしまえば水を自在に操ることができる。

それをどう活かすかは参加者のセンスに任せられるのだが、静鬼の場合は水蒸気を集め一気に水に返還し剣の形状にしてから固体にする。

「炎華姫鬼。改めてよろしくな、闇風さん。」

「ええ、よろしく。」

白々しい演技。

仮面の下に潜む憎悪。

ぞくぞくする。

「ところでお二人さん。」

にこりと微笑んだ矢先に

「いきなりなんだけれど、」

仮面の下が

「死んでくれるかしら」

剥がれ落ちる

風が舞い上がる。

静鬼と姫鬼の足下から舞い上がる。

「…っ!風か、闇風だもんね」

その場から勢いをつけて空華の懐へと一気に攻め込む。

「いきなりでごめんね空華ちゃん。」

にっと口の端を持ち上げた。

同時に右半身にぴったりとくっつけていた剣を空華との0距離で真正面から振り上げる。

「気が早い。」

余裕の笑みを浮かべた空華。

左手にもつ閉じられた扇子で静鬼の剣を受け止めながら膝蹴りで鳩尾をねらう。

「わおっさっすがぁー空華ちゃんつっよーい。」

にこにこしながら剣を軸に身を翻し空華の左をとる。

剣を扇子から離し、その勢いを利用して空華の背中に剣を振る。

「あまい」

剣の軌道がズレる。

「!?」

上方に弾かれたように剣がそれた。

静鬼は少しの間呆気に取られたような顔をする。

「…へぇ、さすが。楽しいじゃん。」

しかし瞬時に気持ちが切り替わった。 楽しい。

「私を無視すんなよなぁー。」

発砲音と同時にちょっとだけ低い女の声が聞こえる。

姫鬼が空華の脳天めがけ発砲した。

「弾丸はきかないかな。」

相変わらず余裕の笑みを浮かべながら風を操り弾丸を叩き落とす。

「うん、知ってる。」

しかし気付けば姫鬼が空華の懐に入っている。

「じゃあこれは?」

鳩尾に膝蹴りをだす。

左斜め後方に下がる空華。

「続きましてっ!」

地面に手を付け体を宙に投げ出す姫鬼。

空中から的確にけれど素早く空華の顔面を狙って右足で蹴りを放つ。

「体柔らかいのね。」

それでも笑みを浮かべたまましゃがんでかわす。

地面に足がついた瞬間背後から回し蹴りをだす。

「けどまだまだ。」

回し蹴りを放つ姫鬼の足の下を自分の膝で打ち上げる。

「っと!それはちょっと痛いんじゃないの!?」

回し蹴りをする足を素早く真下に振り下ろす。

姫鬼と空華が格闘している間に息を整えて空華の背後からご自慢の剣を振り下ろす静鬼。

「ねぇねぇっあの先輩かっこいいよね!」

「あーあの入学式でなんか喋ってた人?かっこいいかなぁ?」

「かっこいいってー!」

三人の動きが止まる。

「…空華ちゃん強いねぇーびっくりしちゃった!」

「貴方たちもね。」

「とかなんとかいって最後まで余裕たっぷりだったよなお前。」

「ふふ…殺せなくて残念だわ。」

「それじゃ今日はここらへんにしとこうかー。」

「だなー。」

他人にこのゲームがばれるとどうなるか説明しよう。

このゲームを知った無関係の人間はこの世にいなかったことにされる。

そして無関係の人間にバラしてしまった参加者はゲームオーバーで死亡だ。

「じゃあねー。」

「…本当とんだ邪魔が入ったわね。」

「まあまあ姉ちゃんそう殺気だつなって!」

電信柱からひょいっと飛び降りてきたのは空華の双子の弟闇風空夜。

「…空夜。なんかうざい。」

「ひど!?いい情報もってきたのにぃー。」

「なによ?」

「俺のクラスにもいたんだ。」

「…なにが?」

「敵がもう一人。金髪でピンつけててヘラヘラしてるバカ。」

「ヘラヘラしてるからはあんたとおんなじね。」

「姉ちゃん…ひどいよ…。」

第一章  終了

あとがき

戦闘って表現難しいね

gdgdさーせん

文才なんてねぇよっとぅりゃっ