fiend 第二章 後半

「んーそうだなぁ…もっと細かいとこまで考えたいよねぇ…あ、ねえねえなんか加えたい**とかある?」

彼女は今日も鉛筆を走らせる


第二章 後半
「冬服ほしい」
水流静鬼本日の第一声である。 
「は?冬服?きてるじゃん?」
冬服の制服の袖口をひらひらさせて姫鬼がいう。
「そうじゃなくてっ!戦闘服だよ戦闘服ぅー!」
「…ああ、戦闘服ね。じゃあ上になんかきれば?」
「やだよ。かわいくないもん。てか、姫鬼ちゃんの服絶対私より寒いでしょ。」
「私炎の人だから。」
「うわぁぁっぁあずっるぅー!私も火つかえる人がよかったぁー!」
「いいじゃん水。きれいだし。」
はたからすれば「なにいってんだこいつら」という会話である。
静鬼の戦闘服は膝上・半袖の濃いめの灰色のワンピース。
比べて姫鬼はミニスカートにブラ的なあれ、薄手の上着でお腹・足・両腕など露出が非常に高い。

貧乳だが。

「とりあえずほしいの!!!!!!!!!」



その日の戦闘服はなぜかあたたかい冬服であった。

「ほわぁぁっぁあ変わってる!変わってるよ姫鬼ちゃん!」
「…なんで変わったんだ…」
「いいじゃんいいじゃん!とにかく変わったんだからっ」
静鬼が冬服のあたたかさに興奮していると後ろから声が聞こえて来た。
「よっすよっすー!今日もさみーなー」
瑠鬼の服はどうやら通常運転のようだ。
「っておまえらあったかそーずりぃずりぃよ!!!!!!!!!」
「ふふふー今日冬服ほしいなーっていってたらこれになったのー」
「なにその不思議設定!?」
静鬼と瑠鬼…笑いながら緊張感なんてまるでない会話をする。

「ずーいぶん楽しそうね。あったかくてかわいらしいお洋服がそんなに嬉しい?」
10mほどはなれた電柱によりかかって笑う少女がいた。
笑うというより嗤う
彼女は笑いながら嗤いながら怒っていた。

「漫画だったら楽しくて笑っちゃうお話。小説だったらやけに会話文の多い方向性の間違った文章?どこのきゃっきゃうふふなラノベかしら。わらえちゃーう」
嗤いながら顔色一つ変えずに一息でいいきる空華がいた。
でも確実に彼女は怒っていた。
なぜか

遊んでいたから
ふざけていたから
笑っていたから
わくわくしていたから
無邪気だったから
うるさかったから
煩かったから
五月蠅かったから
そうぞうしかったから
騒々しかったから
耳障りだったから

彼女達が◯しかったから

「まあいいんだけど。それも今日で終わりじゃない?邪魔が入ることばっかでなかなか仕留められなかったけど。」


今日こそは…と消え入りそうな声で呟いた。

「あははっ空華ちゃんのそういうとこほんと大好きっ」


「ぞくぞくしちゃう」
そして今日も彼女たちは剣を振るい引き金を弾き風をおこし雷をおとす。

なんでだろう…
なんでこんなやつ一人殺せないんだろう…

空華は決して弱くなどなかった
むしろ強い、チートといっても過言ではない。
それなのに、彼女らを殺すまでには至らない。
なぜか

自身がどれだけ考えても気付けなかった。

勿論、気付けるはずがなかった


冬の日

雪が降ってきた

それはとても綺麗で儚い雪だった

そして

彼女達の1年は幕を閉じた


パタリ…と静かに音を立ててノートをとじた


第二章 後半 終