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fiend side story -静鬼-

「せんせーしずきちゃんがぁー」


違うの


だって







だって…

fiend side story -Shizuki-

昔から、喧嘩が大好きで、賭け事が大好きで、勝負が大好きだった。
負けず嫌いで男勝り、見かけは女の子っぽいのに中身が残念っていわれることは多くあって、でもそれなりに楽しいから気になんてしなかった。


「よーっし!さーどんどんかかっておいでー男子でもぜんっぜんいいんだからねー!」
机を挟んで並んだ椅子の片方に座り、右ひじを机につけ、腕相撲の体制をとる私は、つまるところ腕相撲の相手を待っているわけである。
この前は縄跳びで一番多かった人の勝ち…っていうゲームをやったんだけどもちろん私の勝ちなわけで…。
その前は鉄棒でできる技勝負でその前は給食のおかわり対決でその前はかけっこ、その前はどこまでティッシュを折れるかでその前は…という感じで要するになにかしら新しいゲームをしたい私なのだ。
で、今回は「よっしゃ、いいか、今日こそ俺が勝つ!」といった風にやってきた男子を腕相撲で負かしたいだけです。
「おーおーいいじゃないのー!私にはどうやったって勝てないっていうのを体に叩き込んであげるわよ!」ニヤニヤしながら、でてきた男子に生意気な口をきく。
「いったなこの野郎…後悔してもしらねーからなっ!」
威勢良く向かいの席に座る男子Aくんと手を握る。
「レディー…」
「「ゴー!!」」





「あっっはははははは!圧勝圧勝!」
男子完敗私の完全勝利。
まあ、予想通りの結果ではある。
「しずきちゃーん!ねえねえっお絵かきしようよー」
…お絵かき
「いいねー、やるやるー!」


めんどくさ



「私はやっぱり佐藤くんかなぁ…サッカー上手だしかっこいいしさぁ…」
佐藤ってこの前私がサッカーで負かした奴じゃん。
「わかるかもーでもでもっ私はやっぱり瀬田くんかなっ!優しいしかっこいいし…!」
どこが
「あっ!しずきは?」
…え
「え、私?私は別になぁ」
好きだよねぇ
恋バナ
「うっそー絶対好きな人いるでしょしずきっ」
「は?いないっていってんじゃんそんなの」
「ムキになってるのが怪しいよねーww」
うっざ…これだから女子って嫌いだよ。
「私ちょっとトイレ」
れっつトイレさらば恋バナ

「しずきってさ、なんかうちらとは違うっていうかさぁ」
「ああ、男好きだもんね。うちらといるより正直男子と遊んでる方が楽しそうだもんね」
「でも男子投げ飛ばして怪我させたのはぶっちゃけ引いた…」
「あーあれはありえない。なんか女子としてどうよwwww」

耳障りだな。
女子ってなんか蛇みたい。
しつこくってうざくって。
ねばねばしてぎとぎとして
そのくせ内容はどうでもよくってさ。
ばっかみたい


ほんと。





心のどこかでいやだった。

嫌いだった。
喧嘩が大好きな私も、負けず嫌いで男勝りな私も、勝負が大好きで賭け事が大好きな私も、外見の割に中身が残念な私も、全部。


気持ち悪い?
喜んで男子を投げ飛ばす私は

気持ち悪い?
ゲームに勝つことの異常なまでの執念は

気持ち悪い?
こんな私は





だったらもういいかなって


ならいいかなって



いっそのことこの感情を





「おーつっよーい!さっすが空華ちゃーん!」
渾身の力をこめて剣を振るう。
地を蹴る。

「ねえ空華ちゃん、楽しいね。」




「このゲーム」






楽しいや。







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静鬼ちゃんの過去編です
投稿おそくなりましたーみてないですねわかります。
中学生編はもうあんまりかかないで数人の過去編とかやって高校生編にいく予定ですっ